9月 192018
 

全国英語教育学会では学生支援の一環として,年次全国大会参加のための助成金の給付(抽選制),及び学生の大会参加者を対象とした大学生・大学院生フォーラムを行っております。第44回の京都研究大会での学生参加者を代表して,助成金を利用して大会に参加した2名の学生の方に大会の様子をレポートしていただきました。ご興味を持たれた学生の方は,次年度以降の大会での参加助成金制度の利用やフォーラムへの参加を是非ご検討下さい。

 

 

今回,はじめて全国英語教育学会大会に参加した。本大会では,自由研究発表を行い,研究発表を聞き,懇親会に参加し,と充実した二日間を過ごした。
まず,自由研究発表であるが,初日のトップバッターであったためか,今までにないくらい緊張した。当日は,発表会場の椅子が足りなくなるほどたくさんの方々にお越しいただき,質疑応答の際は時間の枠を超えて,先生方から数多くの意見をいただくことができた。中には今まで自分が意識してこなかったことに関するコメントもあり,大変勉強になった。先生方には,この場を借りて感謝申し上げる。
実は最近,先生方との議論を目当てに,積極的に口頭発表するようにしている。というのも,普段指導教員とのやりとりの中で自動化され,つい意識することを忘れてしまう,用語の曖昧さや研究のわかりやすさ,そして研究意義を,自分の研究をよく知らない先生方に発表し質疑応答を介することで,改めて再確認することができるからである。
どうしても学会発表というと,怖い先生がたくさんいる,敷居の高い場と思われてしまうのかもしれない。しかし,実際はそうではない。学会には,真剣に発表を聞いて,研究をよりよくするための視座を提供してくださる先生方がたくさんいる。今回,発表を躊躇してしまった人がいたら,来年の弘前大会でぜひ発表をチャレンジしてみてほしい。
さて,今日,英語学習者を取り巻く環境は大きく変わろうとしている。本来,正の波及効果をもたらすべきものが,負の波及効果をもたらすのではないかと危惧されている。そして,研究者の声が教育政策に十分に生かされていないように思える。こうした現状の中,大学院生である自分にできるのは,研究成果を学会で発表し,自分とは興味・専門の異なる先生方との対話を通し,自分の研究は英語教育研究においてどのように位置づけられるのか,どうすれば英語教育に生かせるのか常に考えることだと思っている。本大会に参加し,研究室にこもっていてはなかなかお会いすることのできない学校現場の先生方との対話を通じて,その必要性を改めて感じた。
そして,以上の経験ができたのは,研究大会参加助成金制度の支援があったからに他ならない。全国英語教育学会の先生方に感謝申し上げる。またトラブルなく大会を満喫できるよう運営をしてくださった大会運営委員の方々にも感謝申し上げる。大会参加を通して得た糧を修士論文に大いに活かし,来年の大会では自信をもって発表できるようなものに仕上げたい。

(東京外国語大学大学院 総合国際学研究科博士前期課程2年 馬場正太郎)

 

 

私は8月25,26日に龍谷大学にて開催されました,第44回全国英語教育学会京都研究大会に参加し,非常に貴重な経験をさせていただきました。約380年の歴史ある龍谷大学のキャンパスで,平成最後の研究大会ということで非常に多くの方々が参加し,ウェブ版の予稿集という初の試みもなされた研究大会でございました。
2日間を通して,私が研究分野としている語彙に関する研究だけでなく,教員養成や早期英語教育など,普段自分自身がなかなか触れることのなかった様々な分野の英語教育に関する発表を聞くことができました。研究発表を通じて,先生方の研究に対する熱意を感じ,これから研究をして行く上でのヒントになることはもちろんのこと,新学習指導要領に対応した新しい興味深い研究を拝見し,非常に勉強になったと感じる反面,今後より一層勉強に努めなければいけないとも痛感いたしました。
昼休みの時間に行われた大学生・大学院生フォーラムでは,自分の研究分野と近い先生方とお話しさせていただき,研究分野に対する知識の共有はもちろんのこと,研究への取り組む姿勢や実験でのリクルーティングについてなど,これからの研究にそのまま実践できるようなことをたくさん吸収していく中で,研究に対する自分自身の意見を伝える機会にもなり,非常に有意義なランチタイムを過ごすことができました。また,課題研究フォーラムでは,それぞれの教育学会で行われている研究を拝見し,これまで議論,研究が行われてきた中で確立された理論と現場での実践が織り込まれた発表を拝聴し,積極的に学ぶことができたと思います。
今回の学会を通して,自分自身がなぜ研究をするのか,なぜその研究がしたいのかを改めて認識することができました。また,多くの発表をお聞きする中で知識とともに,研究へのモチベーションを多く得られた2日間を過ごすことができたと感じております。本大会に参加することができ,非常に満足感で満たされております。来年度は,是非発表者として参加できるように努力していきます。
最後に,今回の研究大会の運営関係者の皆様,ならびに発表者の皆様,また本大会の参加に当たりまして,研究大会助成金制度に採択いただいた学生支援事務局の皆様に深く感謝申し上げます。

(筑波大学大学院 人文社会科学研究科博士前期1年 関根貴則)

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